パッケージ制作のポイント
PACKAGE PRODUCTION POINTS
ターゲット別パッケージ
女性向け・男性向け・シニア向け・子ども向け
ターゲット別パッケージデザインのポイント
PACKAGE BY TARGET
パッケージは、その商品が「誰の、どんなニーズに答えるのものなのか」を表し、ターゲットに訴求します。パッケージ開発を進める上で、ターゲットを設定することは必然であり、ターゲットが変わればデザインも大きく変化するでしょう。 そこで、本記事では、性別や年齢など、ターゲットの属性によって異なる、デザインのポイントについて解説します。ターゲットにウケるデザインに悩む販促担当者の方や、パッケージデザインの基本を知りたいマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
POINT
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パッケージデザインはターゲットを意識しよう
デザインのコンセプトは、ターゲットの属性、趣味、ニーズなど、さまざまな切り口から考えられ、必ずしも性別や年齢などの属性で考えることが正解とは限りません。実際のパッケージ開発では、よりターゲットの暮らしや課題を深掘った「ペルソナ設計」を行い、緻密にデザインのテーマを決めていくことになるでしょう。一方で、属性別の大まかなトンマナを知っておくことは、デザインの方向性をつかむのに役立ちます。下記では、「女性向け」「男性向け」「シニア向け」「子ども向け」の4つのターゲットに向けた、パッケージデザインの傾向やポイントについて解説します。
1女性向けパッケージデザイン傾向とポイント
女性向けのパッケージデザインは、下記のような傾向が見られます。ただし近年は、女性向けのコスメやファッションアイテムであっても、男女問わずに使えるようなシンプルでユニセックスなデザインが注目を集めています。商品パッケージにおいても、性別を感じさせないニュートラルなデザインが若い女性を中心に人気です。女性向けデザインは、時代や流行に左右されやすい傾向があるため、パッケージ開発の際は実際の売り場でデザインの傾向を研究してみるのがおすすめです。
1 | 色 | 女性は男性に比べ、細かな色の違いを認識しやすいと言われています。また、同じ色でも、明るいピンクは子ども向け、落ち着いたピンクになるほど大人向けと、明るさに応じてターゲットの年齢が変わる傾向にあります。 |
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2 | フォント | より女性的なデザインを意識するのであれば、太く角ばった印象のゴシック書体よりも、細く柔らかな線を持つ明朝体がおすすめです。また、若い女性向けのデザインには手書き風のフォントもよく使われており、ターゲットに直接語りかけるような、親しみを感じさせる効果があります。 |
3 | デザイン | 女性は男性に比べ、スペックや価格よりも先に、全体の印象を直感的に捉えると言われています。パッケージデザインにおいては、イラストや写真で「商品がある暮らし」のイメージを直感的に伝え、余白を意識した見やすく心地よいデザインを心がけると良いでしょう。 |
2男性向けパッケージデザインのポイント
男性向けのパッケージデザインは、下記のような傾向が見られます。ただし、近年は男性向け化粧品の浸透やファッションのジェンダーレス化に伴い、女性と同様、男性向けの商品パッケージもニュートラルなデザインのものが増えています。こうした傾向は若い男性により強く、性別よりも世代によって、ウケるデザインが変わってきていると見て良いでしょう。
1 | 色 | 商品カテゴリーによってよく使われる色は異なりますが、男性向け商品のパッケージには、コントラストが強いはっきりとした配色が採用される傾向にあります。中でも、ガツンとした味わいや男らしい力強さを表現する場合は黒と白、赤と緑などコントラストの強い配色がよく使用されます。 |
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2 | フォント | 男性向けの商品パッケージには、力強さやインパクトを感じさせるゴシック書体が多様されています。ゴシックの中でも角丸は子供っぽい印象を与えるため、より男性らしいデザインを目指すのであれば、角ゴシックなどのシンプルで角張った書体を選ぶと良いでしょう。 |
3 | デザイン | 全体の雰囲気で判断する女性に比べ、男性は中身がわかりやすいパッケージデザインを好む傾向にあります。素材がひと目で伝わる写真や、大きな商品名、伝わりやすい味わいコピーを意識してデザインするのがおすすめです。 |
3シニア向けパッケージデザインのポイント
シニア向けパッケージデザインは、すべての人が使いやすい、やさしいデザインを意味する「ユニバーサルデザイン」への意識が必要となるでしょう。一方で、シニア向けに開発された商品であっても、年齢を意識しすぎたデザインは逆にターゲットを遠ざけてしまう恐れがあります。近年の高齢者は、年齢こそ重ねていても、若々しくはつらつとした暮らしを好みます。シニア向けのパッケージ開発において重要なのは、「シニア向け」を強調しすぎないことなのです。
1 | 色 | シニア向けパッケージの配色を考える際に知っておきたいのが、シニア世代の色の見え方です。年齢を重ね、視力が衰えると、色の見え方に変化があります。大きな症状としては、色の明るさが判別しにくくなるほか、とくに黄色や灰色が視認しにくくなると言われています。そのため、パッケージでは重要な場所に黄色や灰色を使用するのを避け、コントラストの強い配色を意識すると良いでしょう。 |
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2 | フォント | 高齢者の多くは小さな文字を認識しにくい傾向にあります。シニア向けのパッケージデザインには、明朝よりも視認性が高いゴシックを使用すると良いでしょう。また、丸ゴシックのような柔らかい印象の書体もシニアに好まれる傾向にあります。 また、フォントのサイズにも注意を向けることが大切です。2023年1月に「株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室」が発表した調査結果によると、シニアが「読みやすい」と感じた文字の大きさは18ptが32.1%、14ptの38.5%、12ptが26.0%、10ptが3.4%という結果が出ています。シニア向けのパッケージデザインに使用するフォントは、最小でも12pt以上が望ましいと言えるでしょう。 【データ引用】“シニアが見やすい、読みやすい表記とは?―全国のシニアへホームユース郵送調査を実施”シニアマーケティング研究室 |
3 | デザイン | はじめて手に取る商品の開け方に迷ったり、力が弱くひとりで開けられなかったりすると、どんなに良い商品でも、消費者は「また買おう」という気持ちになりません。視力や握力が弱くなっているシニアの場合は特に、開閉場所に迷わない表示や、小さな力でも開けられる工夫など、より親切でわかりやすいパッケージデザインを意識しましょう。 |
4子ども向けパッケージデザインのポイント
子ども向けのパッケージデザインを考える際に重要なのは、「2つのターゲットの目線」を想定することです。ひとつは子ども自身の目線、そしてもうひとつが、実際に商品を購入する親の目線。本章では、子どもが思わず手を伸ばしたくなるパッケージデザインのポイントを紹介しますが、実際に子ども向けパッケージを開発する際は、親が求める「安全性」「教育的効果」の訴求や、「親が家に置きたくなるデザイン」なども意識すると良いでしょう。
1 | 色 | 子ども向け商品のパッケージにはカラフルな配色が多用されます。子ども心をくすぐる、おもちゃのような楽しい配色を意識しましょう。また、ターゲットの年齢層や性別に人気がある配色を知ることも重要です。時代によって子どもたちが好む色は変化します。「男の子向け=青」「女の子向け=ピンク」といった従来のイメージにとらわれず、今の子どもが求める配色を意識しましょう。 |
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2 | フォント | ポップでカラフルな子ども向けデザインは、ベーシックなゴシックや明朝のフォントよりも、丸みのある書体や装飾の多い書体がフィットします。また、縁取りのある文字や「🎵」「♡」などの記号をくわえることで、よりにぎやかで楽しいパッケージに仕上がるでしょう。 |
3 | デザイン | デザインにおいては、情報を削ぎ落とし、難しく見せないことが重要です。また、キャラクターイラストを使うなど、子どもが喜ぶ楽しい雰囲気を心がけましょう。このほか、子どもは新しいものにもすぐに興味を持ち、柔軟に受け入れるため、これまでになかった珍しい素材や形のパッケージを開発してみるのもおすすめです。 |
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【まとめ】ターゲットに選ばれるパッケージには、独自のコンセプトも必要!
ターゲットを意識したパッケージデザインは、商品開発の大前提とも言えます。ターゲットの年齢や性別によって、好まれるデザインにおおまかな傾向はありますが、前例に頼らず、より詳細なペルソナ設定や、時代の変化・流行を考慮した上で、独自のデザインコンセプトを詰めていくことが大切です。
パッケージパートナーでは、ペルソナ設計からターゲットを意識したデザインコンセプトのご提案、実際のデザインまで、パッケージ開発のあらゆるフェーズをご相談いただけます。「ターゲットに好まれるパッケージがわからない」とお悩みの商品開発担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。